稲田堤駅前脳神経外科内科クリニックBlog

めまい2

(2018年8月8日 13:13更新)


今回は、めまいをきたす主な疾患について、ご説明いたします。

 

1.メニエール症候群

耳鳴り、難聴と伴い、突発性の回転性めまいの発作を繰り返す疾患をメニエール病といいます。難聴は両側性のことが多いが、片側性もあります。

悪心、嘔吐を伴うこともあります。

40-50歳代に多く、女性に多い傾向にあります。

 

2.突発性難聴

突発的に難聴、耳鳴り、耳閉感で出現。半数以上にめまいを伴う。

 

3.良性発作性頭位眩暈症

特定の頭位の変化によってめまいが誘発される。耳石器に障害がある。

 

 

その他、中枢性(頭、脳血管、脳循環障害等)、自律神経失調症、等が原因のこともありますので、是非、検査をしてみてください。


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めまい 1

(2018年6月28日 19:42更新)


めまいとは、自分の身体の向きがどのような状態になっているかを認識する平衡機能が障害されたときに起こる異常感覚と定義されます。

回るような感じ、ふわふわした感じ、ぐらぐらした感じ等、いろいろと表現されます。

めまいと言っても、いろいろ種類があります。

分類してみると以下のようになります。

 

めまいの分類と原因疾患

A.回転性めまい

1.内耳性めまい;メニエール病、突発性難聴、良性発作性頭位眩暈、薬物

2.中枢性めまい;

a.大脳;一過性脳虚血発作(TIA),脳腫瘍

b.脳幹、小脳;出血、梗塞、血管れんしゅく、腫瘍の圧迫

B.非回転性めまい

1.ふらつきー中枢性平衡障害ー脳幹、小脳;虚血、脳幹循環不全、起立性自律神経失調症

2.立ちくらみー失神ー脳幹網様体 上行性網様賦活系;虚血、脳幹循環不全、起立性自律失調症

 

耳からくることも、頭からくることもあります。

耳鼻科、脳神経外科を受診することをお勧めします。

次回は、より詳細にめまいの原因、主な疾患についてご説明いたします。


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治る認知症(2)

(2018年4月28日 20:29更新)


 

 

前回、治る認知症として、特発性正常圧水頭症をご説明いたしました。

今回は、もう一つに慢性硬膜下血種についてご説明いたします。

主に65歳以上で頭部打撲後、約1ケ月ごろから発症すると言われております。

脳と骨の間に硬膜という膜があり、その下に血液が溜まり、脳を圧迫する病気です。

要点は

1.頭部打撲後、1-3ケ月で発症

2.頭痛、片麻痺、痴呆、意識障害が徐々に表れる。

3.CT上、硬膜下に沿った部位に、三日月型の血種がみられます。

4.高齢者は、はっきりした外傷の既往がないのに慢性硬膜下血種を起こしてくることがしばしばあります。

5.高齢者では、脳萎縮が強いため、血種による圧迫症状(意識障害、記銘力障害、不安定歩行など)が先行することが多い。

6.治療は、手術(穿頭洗浄術で血種を除去)で改善します。

 

以上、認知症だからといって諦めないでください。

まずは、CT等により検査をしてみてください。

治せる認知症かもしれませんよ。

 


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治る認知症

(2018年3月27日 13:21更新)


認知症の中で、治る認知症があるのを、ご存知でしょうか?

1、特発性正常圧水頭症

2、慢性硬膜下血腫

今回、1の正常圧水頭症についてご説明いたします。

年齢が進むとともに足もとがふらついたり、足が前に出なくてうまくあるけないという症状を訴える人が多くなってきます。

はっきりした理由もなしにうまく歩けなくなって、認知症や頻尿、尿失禁といった症状をともなってくる場合があります。

 

特発性正常圧水頭症とは、原因が特定できないのに、頭の脳室という髄液が流れる部屋が大きくなる病気です。

以下の症状が特徴です。

1、歩行障害

a足元がふらついてよく転ぶ

b足がスムーズに前に出ない。

2、尿失禁

aトイレが近い

b尿意をがまんできない

3、認知症

a最近、物忘れがひどくなってきた。

b意欲がなくなり日頃の習慣としていることや趣味などしなくなった。

c集中力を維持するのが難しく、ボーとしてしまう。

 

このような症状のある方は、是非、頭の検査をしてください。

シャントという手術をするとよくなる病気ですので、あきらめないでください。


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アルツハイマー型認知症の初期にみられる症状

(2018年2月18日 14:13更新)


今回、認知症の中で最も多い、アルツハイマー型認知症の初期症状について、ご説明いたします。

もの忘れがあり、私って認知症?と不安になる方も、チェックしてみてください。

アルツハイマー型認知症の初期症状

1.記憶の障害;ついさっきの出来事(5-10分前に話したり、したこと)を忘れる。(昔の体験は覚えている)

a.ご飯を食べたか?

b.何を話したか?

 

2,認識、判断力の障害

A、時間に対する認識の低下

a,曜日が分からない。

b.日付が分からない。

c.時間が分らない。

B.ものごとの判断ができない。

a.新しい家電が操作できない。

 

3.生活能力の低下

A,買物

a.必要なものを必要なだけ買えない。

b.同じものばっかりかってしまう。

B,料理

a献立が考えられない、食事の用意ができない。

C,家計

a.お金の管理ができない。

4,精神的な症状

A.取り繕い

a.失敗を指摘すると必要以上に怒る。

b,ミスを隠そうとする。

B,無関心

a.趣味をしなくなる

C,うつ

a.元気がない、興味がない、落ち込む

D,妄想

a,誰かに物を盗られたと思い込む。

 

以上のような症状があると、アルツハイマー型認知症の可能性があります。

是非、一度受診して検査してください。

 

 


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脳卒中の予防方法

(2017年12月21日 20:29更新)


今回は脳卒中の予防方法をお話いたします。

 

1、食事を見直そう

1)塩分を減らそう

高血圧の方は一日6g、血圧が正常の方は10g未満を目標にしてください。

2)栄養バランスに気を付けよう

主食(ごはん等の穀物)、主菜(魚、肉、卵、大豆料理)、副菜(野菜など)、牛乳乳製品、果物を組み合わせた、栄養バランスのよい食事をとりましょう。

3)カロリーと脂肪を控えましょう

コレステロール多い食事(卵黄、レバー、バター、とり皮、いくら、たらこ等)は取り過ぎに注意しましょう。

2、運動の習慣をつけましょう

1)有酸素運動をしましょう

有酸素運動とは、酸素を多く取り込み、楽しみながら行う運動です。ウオーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどがありますが、これらの運動は脂肪を燃焼させ、高血圧症や脂質異常症、糖尿病を改善する作用があります。

2)自分にあった、無理のない運動を続けましょう

自分にあった運動を、無理のない範囲で、継続的に行いましょう。

まず、歩くことから始めましょう。

例;ウオーキングの目安

a.一日30分以上

b.息が弾む程度のスピードで

c.一日当たりの目標値(歩数)

成人;男性9200歩以上

女性8300歩以上

高齢者;男性6700歩以上

女性5900歩以上

3、ストレスを解消しましょう

1)しっかり休息をとり、心にゆとりを持ちましょう

A.ストレスを解消するためのポイント

a.ぬるめのお風呂に入る

b.リラックスできる音楽を聴く

c.質、量ともに十分な睡眠をとる

d,思いっきり笑う。

e,複式呼吸をする。

f.気持ちの落ち着く香りをかぐ。(アロマセラピー)

2)質の良い睡眠をとりましょう

A,快適な眠りのためのポイント

a,音;静かな場所

b,光;物の形がぼんやりと見える明るさ

c,温度;夏25℃、冬15℃

d.湿度;50%

e.インテリアの色;茶色やベージュなどの落ち着いた色

f,寝具;軽くやわらかな掛布団。適度な硬さの敷布団。

自分の高さにあった枕

 

B,寝る前にしてはいけないこと。

a,直前に熱いお風呂に入る。

b,カフェインをとる(コーヒー、紅茶など)

c,飲酒(眠りが浅くなります)

d,ゲームやパソコン

 

C,お腹がすいたら

a,温かなミルク

b,カフェインの入っていないハーブティー

 

D.適正な睡眠時間とは

一般的に、一日6-7時間の睡眠が睡眠充足の目安と言われますが、適正な睡眠時間は個人差があります。心身の疲れが癒され、すっきりと目覚めることのできる時間が、適正な睡眠時間といえます。

 

4、禁煙しましょう

タバコを吸う方が脳卒中をおこす危険性は、まったく吸わない方に比べて、男性で1.3倍、女性で2倍高いです。

 

5、お酒を控えましょう

お酒(アルコール)を多量に飲む方は、脳卒中をおこす危険性が高いことがわかっています。

A.お酒の種類別にみた適正なアルコール摂取の目安(1日当たり)

日本酒 1合(180ml)、ビール 中ビン1本(500ml)

焼酎 ぐいのみ1杯(70ml)

ウイスキー、ブランデー ダブル1杯(60ml)

ワイン グラス1.5-2杯(200ml)

B.お酒を飲むときのポイント

1)楽しい雰囲気で飲む

2)時間をかけて飲む

3)食べながら飲む

4)夜12時以降は飲まない

5)寝酒をしない

6)毎日続けて飲まない(休肝日をつくる)

 

その他、現在、すでに高血圧症、脂質異常症、糖尿病で治療されている方は、しっかりコントロールするように心がけてください。

 

脳卒中の予防に必ず役に立ちます。

是非、参考にしてください。

 

 


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脳卒中(1)

(2017年11月22日 19:44更新)


今回は、脳卒中についいてご説明いたします。

1.脳卒中の種類

A.脳梗塞;

脳の血管が血の塊(血栓)によってつまり、血流が途絶えて、脳細胞が壊れてしまうもの(壊死)で、3つのタイプがあります。

a.アテローム血栓性脳梗塞;動脈硬化によって狭くなった血管が詰まる。

b.ラクナ梗塞:細い血管が詰まる。

c.心原性脳塞栓症;心臓にできた血栓が脳の血管に運ばれて詰まる。

B.一過性脳虚血発作

脳の血管が血栓によつて一時的に詰まるもので、普通は数分間から1時間以内に症状がなくなります。

C.脳出血

脳の血管が破れて出血がおこる。

D.クモ膜下出血

脳の血管にできたコブ(動脈瘤)が破れて、脳の表面(クモ膜下腔)に出血が広がります。

2.脳卒中の原因

脳卒中のの発症には、生活習慣の乱れや様々な危険因子(病気)が関連しています。危険因子の中で最も重要なのは高血圧症です。

A.生活習慣の乱れ

a.食生活の欧米化

b.運動不足

c.塩分の取り過ぎ

d,喫煙

e.(アルコールの)飲みすぎ

B.危険因子

a.高血圧症

b.糖尿病

c.脂質異常症

d.心房細動

e.メタボリックシンドローム

 

ポイントはやはり生活習慣です。

次回は、対策についてお話いたします。

 

 

 


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頭痛2(危険な頭痛)

(2017年10月29日 15:37更新)


頭痛には、以前お話したような、一般的な頭痛のほかに、命に関わる危険な頭痛もあります。

該当する症状がありましたら、すぐに救急車または脳外科を受診されることをお勧めいたします。

1.クモ膜下出血

a.脳動脈瘤という血管の瘤が破れてくも膜の下に出血する病気です。

b.今までに経験したことのないような激しい頭痛。例えば、ハンマーで殴られたような激しい頭痛。が特徴。

c.嘔吐を伴うことが多い。

2.脳出血

a.高血圧が原因のことが多い

b.頭痛の他に、出血部位により、麻痺、呂律が回らない、めまい、嘔吐、意識障害を伴うことがある。

3.脳腫瘍

a.軽い頭痛から重い頭痛まである。

b.朝方目を覚ました時に頭痛がある。

c.悪心のない噴出様嘔吐を伴うことがある。

d.部位や種類によって、てんかん、視力視野障害、運動麻痺がみれれる。

4.慢性硬膜下血種

a.頭部打撲後、1.2ケ月後に起こりやすい。

b.呂律が回りにくい、歩きにくい、痴呆がすすんだ などの症状がみれれる。

5.髄膜炎

a.熱があり頭痛が続いている。

b.首の後ろがだんだん固くなってきた。

 

以上の病気が疑われたら、早めにCTのある脳外科など受診してください。

 


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お知らせ(H29年度インフルエンザ予防接種について)

(2017年10月2日 19:49更新)


今年度(H29年度)インフルエンザ予防についてお知らせいたします。

 

高齢者インフルエンザ予防接種

10/2(月)より実施いたします。

要予約(予約外の方も接種可能ですが、ワクチンの入手状況によります)

 

一般インフルエンザ予防接種

10/23(月)より実施いたします。

予約の方 優先とさせていただきます。

予約外の方も接種可能ですが、ワクチンの入手状況によります。

 

料金 昨年と同じです。

1回目 3300円

2回目 3000円(当院で1回目接種した方)

 

 

 


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物忘れ(加齢と認知症の比較)

(2017年9月17日 14:39更新)


今回は、物忘れについてお話ししたいと思います。

物忘れが続いて、認知症になったのではと、心配される方も多いと思います。

実は、①加齢に伴う物忘れと、②認知症による物忘れには違いがあります。

それぞれについて特徴をあげたいと思います。

 

①加齢にともなう物忘れ

 

a.体験の一部分を忘れる。

b.記憶障害のみがみれれる。

c.もの忘れを自覚している。

d.探し物を努力して見つけようとする。

e.見当識障害は見られない。

f.取り繕いはみられない。

g.日常生活に支障がない。

h.きわめて徐々にしか進行しない。

②認知症の物忘れ

 

a.全体に忘れる。

b.記憶障害に加えて判断の障害、実行障害がある。

c.もの忘れの自覚に乏しい。

d.探しものを誰かが盗ったということがある。

e.見当識障害がみられる。

f.しばしば取り繕いがみられる。

g.日常生活に支障をきたす。

h.進行性である。

 

以上は、おおざっぱな比較です。

もの忘れで心配でしたら、当院等の医療機関への受診をお勧めいたします。

 


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