稲田堤駅前脳神経外科内科クリニックBlog
| 2017
脳卒中の予防方法
(2017年12月21日 20:29更新)
今回は脳卒中の予防方法をお話いたします。
1、食事を見直そう
1)塩分を減らそう
高血圧の方は一日6g、血圧が正常の方は10g未満を目標にしてください。
2)栄養バランスに気を付けよう
主食(ごはん等の穀物)、主菜(魚、肉、卵、大豆料理)、副菜(野菜など)、牛乳乳製品、果物を組み合わせた、栄養バランスのよい食事をとりましょう。
3)カロリーと脂肪を控えましょう
コレステロール多い食事(卵黄、レバー、バター、とり皮、いくら、たらこ等)は取り過ぎに注意しましょう。
2、運動の習慣をつけましょう
1)有酸素運動をしましょう
有酸素運動とは、酸素を多く取り込み、楽しみながら行う運動です。ウオーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどがありますが、これらの運動は脂肪を燃焼させ、高血圧症や脂質異常症、糖尿病を改善する作用があります。
2)自分にあった、無理のない運動を続けましょう
自分にあった運動を、無理のない範囲で、継続的に行いましょう。
まず、歩くことから始めましょう。
例;ウオーキングの目安
a.一日30分以上
b.息が弾む程度のスピードで
c.一日当たりの目標値(歩数)
成人;男性9200歩以上
女性8300歩以上
高齢者;男性6700歩以上
女性5900歩以上
3、ストレスを解消しましょう
1)しっかり休息をとり、心にゆとりを持ちましょう
A.ストレスを解消するためのポイント
a.ぬるめのお風呂に入る
b.リラックスできる音楽を聴く
c.質、量ともに十分な睡眠をとる
d,思いっきり笑う。
e,複式呼吸をする。
f.気持ちの落ち着く香りをかぐ。(アロマセラピー)
2)質の良い睡眠をとりましょう
A,快適な眠りのためのポイント
a,音;静かな場所
b,光;物の形がぼんやりと見える明るさ
c,温度;夏25℃、冬15℃
d.湿度;50%
e.インテリアの色;茶色やベージュなどの落ち着いた色
f,寝具;軽くやわらかな掛布団。適度な硬さの敷布団。
自分の高さにあった枕
B,寝る前にしてはいけないこと。
a,直前に熱いお風呂に入る。
b,カフェインをとる(コーヒー、紅茶など)
c,飲酒(眠りが浅くなります)
d,ゲームやパソコン
C,お腹がすいたら
a,温かなミルク
b,カフェインの入っていないハーブティー
D.適正な睡眠時間とは
一般的に、一日6-7時間の睡眠が睡眠充足の目安と言われますが、適正な睡眠時間は個人差があります。心身の疲れが癒され、すっきりと目覚めることのできる時間が、適正な睡眠時間といえます。
4、禁煙しましょう
タバコを吸う方が脳卒中をおこす危険性は、まったく吸わない方に比べて、男性で1.3倍、女性で2倍高いです。
5、お酒を控えましょう
お酒(アルコール)を多量に飲む方は、脳卒中をおこす危険性が高いことがわかっています。
A.お酒の種類別にみた適正なアルコール摂取の目安(1日当たり)
日本酒 1合(180ml)、ビール 中ビン1本(500ml)
焼酎 ぐいのみ1杯(70ml)
ウイスキー、ブランデー ダブル1杯(60ml)
ワイン グラス1.5-2杯(200ml)
B.お酒を飲むときのポイント
1)楽しい雰囲気で飲む
2)時間をかけて飲む
3)食べながら飲む
4)夜12時以降は飲まない
5)寝酒をしない
6)毎日続けて飲まない(休肝日をつくる)
その他、現在、すでに高血圧症、脂質異常症、糖尿病で治療されている方は、しっかりコントロールするように心がけてください。
脳卒中の予防に必ず役に立ちます。
是非、参考にしてください。
脳卒中(1)
(2017年11月22日 19:44更新)
今回は、脳卒中についいてご説明いたします。
1.脳卒中の種類
A.脳梗塞;
脳の血管が血の塊(血栓)によってつまり、血流が途絶えて、脳細胞が壊れてしまうもの(壊死)で、3つのタイプがあります。
a.アテローム血栓性脳梗塞;動脈硬化によって狭くなった血管が詰まる。
b.ラクナ梗塞:細い血管が詰まる。
c.心原性脳塞栓症;心臓にできた血栓が脳の血管に運ばれて詰まる。
B.一過性脳虚血発作
脳の血管が血栓によつて一時的に詰まるもので、普通は数分間から1時間以内に症状がなくなります。
C.脳出血
脳の血管が破れて出血がおこる。
D.クモ膜下出血
脳の血管にできたコブ(動脈瘤)が破れて、脳の表面(クモ膜下腔)に出血が広がります。
2.脳卒中の原因
脳卒中のの発症には、生活習慣の乱れや様々な危険因子(病気)が関連しています。危険因子の中で最も重要なのは高血圧症です。
A.生活習慣の乱れ
a.食生活の欧米化
b.運動不足
c.塩分の取り過ぎ
d,喫煙
e.(アルコールの)飲みすぎ
B.危険因子
a.高血圧症
b.糖尿病
c.脂質異常症
d.心房細動
e.メタボリックシンドローム
ポイントはやはり生活習慣です。
次回は、対策についてお話いたします。
頭痛2(危険な頭痛)
(2017年10月29日 15:37更新)
頭痛には、以前お話したような、一般的な頭痛のほかに、命に関わる危険な頭痛もあります。
該当する症状がありましたら、すぐに救急車または脳外科を受診されることをお勧めいたします。
1.クモ膜下出血
a.脳動脈瘤という血管の瘤が破れてくも膜の下に出血する病気です。
b.今までに経験したことのないような激しい頭痛。例えば、ハンマーで殴られたような激しい頭痛。が特徴。
c.嘔吐を伴うことが多い。
2.脳出血
a.高血圧が原因のことが多い
b.頭痛の他に、出血部位により、麻痺、呂律が回らない、めまい、嘔吐、意識障害を伴うことがある。
3.脳腫瘍
a.軽い頭痛から重い頭痛まである。
b.朝方目を覚ました時に頭痛がある。
c.悪心のない噴出様嘔吐を伴うことがある。
d.部位や種類によって、てんかん、視力視野障害、運動麻痺がみれれる。
4.慢性硬膜下血種
a.頭部打撲後、1.2ケ月後に起こりやすい。
b.呂律が回りにくい、歩きにくい、痴呆がすすんだ などの症状がみれれる。
5.髄膜炎
a.熱があり頭痛が続いている。
b.首の後ろがだんだん固くなってきた。
以上の病気が疑われたら、早めにCTのある脳外科など受診してください。
お知らせ(H29年度インフルエンザ予防接種について)
(2017年10月2日 19:49更新)
今年度(H29年度)インフルエンザ予防についてお知らせいたします。
高齢者インフルエンザ予防接種
10/2(月)より実施いたします。
要予約(予約外の方も接種可能ですが、ワクチンの入手状況によります)
一般インフルエンザ予防接種
10/23(月)より実施いたします。
予約の方 優先とさせていただきます。
予約外の方も接種可能ですが、ワクチンの入手状況によります。
料金 昨年と同じです。
1回目 3300円
2回目 3000円(当院で1回目接種した方)
物忘れ(加齢と認知症の比較)
(2017年9月17日 14:39更新)
今回は、物忘れについてお話ししたいと思います。
物忘れが続いて、認知症になったのではと、心配される方も多いと思います。
実は、①加齢に伴う物忘れと、②認知症による物忘れには違いがあります。
それぞれについて特徴をあげたいと思います。
①加齢にともなう物忘れ
a.体験の一部分を忘れる。
b.記憶障害のみがみれれる。
c.もの忘れを自覚している。
d.探し物を努力して見つけようとする。
e.見当識障害は見られない。
f.取り繕いはみられない。
g.日常生活に支障がない。
h.きわめて徐々にしか進行しない。
②認知症の物忘れ
a.全体に忘れる。
b.記憶障害に加えて判断の障害、実行障害がある。
c.もの忘れの自覚に乏しい。
d.探しものを誰かが盗ったということがある。
e.見当識障害がみられる。
f.しばしば取り繕いがみられる。
g.日常生活に支障をきたす。
h.進行性である。
以上は、おおざっぱな比較です。
もの忘れで心配でしたら、当院等の医療機関への受診をお勧めいたします。
頭痛(1)
(2017年8月19日 13:47更新)
頭痛とは、頭頸部に限局する痛みであり、日常困っている方も多いと思います。
頭痛の中には、クモ膜下出血や脳腫瘍などのように、命にかかわる危険な頭痛もありますが、
今回は、日常よくおこる頭痛について、その特徴を簡潔にご説明いたします。
1.片頭痛
a,発作性
b.片側、または両側性
c.ズキズキとした拍動性の痛み
d.周期的に繰り返す。
e.女性に多く、家族性に現れる
f.頭痛前に眼前にキラキラした光が見えたり、明るい光がまぶしく感じる。
g.悪心、嘔吐、めまい等伴うことがある。
h.疲労、ストレス、アルコール、カフェイン、生理等に増悪することある。
2.緊張型頭痛
a.頭全体から後頭部にかけておこる。
b.持続的な思い感じ、締め付けられるような痛み、圧迫感あり。
c.軽度から中等度、非拍動性の頭痛。
d.精神的ストレス、肉体的ストレスが関与。
e.肩こり、頸部痛伴うことある。
3.群発頭痛
a.男性に多い
b.一側性。
c.眼球、眼の奥など眼窩周辺に激痛。のたうち回るような頭痛。
d.夜中睡眠中に多い。
e.1時間くらいでおさまるが、頻発する。
f.同側の眼の充血、流涎、鼻閉、鼻汁分泌、発汗をともなう。
その他にも、多数頭痛の種類もあります。
危険な命に関わる頭痛もあります。
たかが頭痛と思わずに、医療機関への受診をお勧めいたします。
熱中症
(2017年7月20日 13:35更新)
7月は熱中症予防月間です。
熱中症についてご説明いたします。
熱中症とは、暑さによって生じる症状の総称をいいます。
1)引き起こされる誘因
1.環境;気温、湿度
2.体;高齢者、乳幼児、持病のあるかた
3.行動;激しい運動や屋外での長時間の作業など
2)症状と重症度
Ⅰ度;めまい、失神、筋肉痛.筋肉の硬直
Ⅱ度;頭痛、嘔気.嘔、倦怠感、虚脱感
Ⅲ度;意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温、臓器障害など
3)対処方法
Ⅰ度;日陰や涼しい場所に移動し、首、脇などの、太い血管に近い場所を冷やす。
水分補給;経口補水液または食塩水(水1Lに食塩1-2g)、水に梅干しまたは塩飴
Ⅱ度;水分補給または病院で点滴を。
Ⅲ度;意識障害があれば、救急搬送を。
熱中症にならないように、暑さ対策とこまめな水分補給を心がけてください。
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